相続と遺言を考える

 相続問題は身内のことであるがゆえに、デリケートな問題を抱えています。紛争の多くは、遺言さえきちんと書いてあれば防げることになります。

 

 最近は遺言を書く人が増えています。

日本公証人連合会の資料によると、平成22年に全国の公証人役場で作られた遺言書(公正証書遺言)の数は81984件です。昭和52年が26629件だったのに比べれば、かなりの高成長を示しています。

 

 なぜ、遺言が増加したかというと、遺言知識の普及、遺産価額の高額化、相続税対策、遺産分割の紛争予防といったところが理由であると考えられます。

 

最近の子どもが望むことは、財産を残すことより、親が最期までぼけないで生活してくれることだそうです。

 

平成27年1月1日より相続税法が改正されます。

 現行では相続税の対象者は4%ぐらいでしたが、改正により6~7%ぐらいになります。相続がより身近な問題になります。

 

 円満な相続のための対策としては

 ・必要な財産を必要な人に相続させるしくみをつくる

 ・後継者以外の相続人の権利を守る

 ・遺族の生活保障を考える

 ・相続税の試算と納税方法を考える

 ・祭祀を守るための費用財源を確保する・・ など

 

必要な相続対策は資産内容や家族構成によって対策は異なります。

 

資金面と相続人の感情に配慮した遺言書を書いておくのがいいでしょう。

 

 

 

      東福寺
      東福寺

遺言は老いた妻への感謝状

 自分が亡くなると一番困る人、自分によく尽くしてくれた人により多くの財産を遺してやりたいとか広くは社会のために自分の財産を役立ててもらいたいとか、そういう真心でする遺産の配分、承継、それが遺言の中心です。縁起が悪いなどというレベルのものではありません。

 

愛と感謝のメッセージ、それが遺言の本質です

 

★ある新聞の匿名の銀行員からの投書

 亡くなった主人名義の預金を払い戻してほしいと来店された高齢の奥様がいて、お尋ねすると、子供はいないが、主人の兄弟がいる。その中にはもう亡くなった人や行方不明の人もいるという。亡くなったご兄弟に子供さんはいますかと聞くと、いる、という。それでは、みなさん全員の同意書か、遺産分割協議書が必要ですというと、長い間お付き合いがないし、どこに住んでいるかわからない。気の毒でならない、と訴えていました。